オネーチャン


by キキ
 オネーチャンは、アタシの黒く濡れた鼻に甘い息を吹きかけながら言う。
「オネーチャンはキキのこと大ちゅきなのよ。」
アタシがいつもは気をつけて爪をしまっておくお手手や、おっぱいのぽちぽち
が6つもついているおなかや、しっぽなんかをさわりながら、
「どうちてそんなにかわいいの。」
なんて言ったりすると、嬉しくってのどがグルグルってなってしまうけど、ア
タシは何故だかイヤな顔をする。何故かというと、何故だかわかんないけど、
もう嬉しくって嬉しくって動けないくらいなのに、イヤな顔してそっぽむいて
しまう。それなのに、オネーチャンはそんなこと知ってるという風でいつまで
もなでていてくれるからアタシは眠くなって寝てしまう。薄目を開けると、オ
ネーチャンがアタシを見ていて、また嬉しくなってのどがグルグルとなってし
まうけど、知らん振りして眠ってしまう。アタシなんで嬉しいとのどがグルグ
ルってなるんだろう。
 オネーチャンのオトモダチとかがたまにくることもある。
 オトモダチって私はいないからわからないけれど、なんかいい感じ。オトモ
ダチは優しくしてくれるからオトモダチがいる時は、オトモダチの膝の上で眠
ることもある。オネーチャンは、あんまり優しくないと思う時もあるけれど、
でも、本当はオネーチャンがいい。オトモダチの膝の上で眠りそうになってい
ると、オネーチャンが部屋から出ていってしまう。慌てて追いかけていくと、
なんだトイレだったのね。
「オネーチャーン。」
と呼んでみる。
「なんでちゅか。」
なんて言ってオネーチャンが出てきた。急いで、爪なんかといでるふりをする。
アタシもトイレに行こう。アタシのトイレは、オネーチャンがビリビリしてく
れた新聞紙が山もりになっている。これをトイレが終わった後に、グジャグジ
ャするのがいいんだよね。
 オネーチャン。  オネーチャンが入っているお風呂のお湯を飲みたい。
 オネーチャンが食べているもの、アタシも欲しい。
 オネーチャンが脱いだあとの洋服や、お洗濯したばかりの洋服の上で寝たい。
 オネーチャンに見ていて欲しい。
 オネーチャンに触って欲しい。
 オネーチャンと一緒に眠りたい。
 オネーチャンがいい。
 オネーチャンがいい。
 オネーチャンがいいんだ。
 オネーチャンの細くってきれいなあんよ。ストッキングを履いたばかりのあ
んよがぴかぴかしてきれいだったから、つい爪をたててしまってゴメンナサイ。
オネーチャンが大きな声を出すから、アタシびっくりしてしまって、逃げてし
まったの。また、知らんぷりしてしまって、ゴメンナサイ。
 でも、アタシ、ゴメンナサイの顔できないんだよな。
F I N

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